α Personal Training LAB代表の丹下です。
トレーナーとして日々運動指導していると身体のどこかに痛みを抱えている人の多さに驚かされます。
「最近ベンチプレスをすると肩が痛むんだよ。」
「立ち仕事なんだけど仕事中ずっと腰が痛くて。」
「階段を降りるときに膝が痛いんです。」
身体のどこかに何かしらの痛みを抱えながら生活している方がとても多いのではないでしょうか。
私がトレーナーとして働き始めた時、一番最初に直面した壁がまさに、痛みがあって運動を全力で行えない人の多さでした。
「病院で診てもらったら、筋力が足りないので筋トレを勧められた。」
「腰が痛いので整体に行ったら腹筋を鍛えろと言われた。」
私が初回カウンセリングを行う際、多くの方からこういった話を伺います。これらは本当に正しいのでしょうか?
関節に痛みがあるのは、筋力の問題なのでしょうか。加齢による経年劣化と断定してしまっても良いのでしょうか?
今回は私が身体の専門家として一番に伝えたいことをお話しします。
目次
- 痛みとは何か?慢性痛の原因を理解する
- 疼痛科学の名著『Explain Pain』
- 脳はどのように痛みを作るのか
- ストレスが痛みを強くする理由(扁桃体と側坐核)
- α Personal Training LABが提供する痛み改善プログラム
1.痛みとは何か?慢性痛の原因を理解する
痛覚という言葉があります。しかしこれは少し誤解されやすい表現です。
人間の体には圧を感じ取るパチニ小体、触ったものの材質などの識別に関わるマイスナー小体、温度の近くに関わる自由神経終末などの固有感覚受容器が備わっています。一般的に触覚と呼ばれるものです。
中でも特に自由神経終末は侵害受容器となりここから入ってきた情報を脳が脅威と捉えた時「痛み」はアウトプットとして出現するのです。
痛みは次のような経路を辿ります。
自由神経終末(何かに触れる、動かした筋や関節からの情報)→喬・延髄→側坐核(大脳辺縁系)→どのくらいの脅威かの識別→痛み
(分かりやすいよう簡略化しています。実際には視床、島皮質、前帯状皮質など痛みは多くの脳領域のネットワークにより処理されています。)
このようにして身体に起こった変化に対して脳を介してアウトプットとしての痛みを我々は感じています。
重複しますが、重要なことは「痛みは常に脳のアウトプットであり、インプットではないということです。」

2.疼痛科学の名著『Explain Pain』
オーストラリアの理学療法士 Lorimer Moseley と David Butler の共著『Explain Pain』では、
“Pain is a protective feeling.”
(痛みは身体を守るための感覚である。)— Lorimer Moseley & David Butler, Explain Pain
“There is no such thing as a pain receptor.”
「痛み受容器というものは存在しない— Lorimer Moseley & David Butler, Explain Pain
モズリーは、痛みを「組織から直接送られてくるもの」ではなく、脳が生み出す体験として説明しています。
さらにモズリーは
“Pain is not an accurate measure of tissue health.”
(痛みは組織の状態を正確に示す指標ではない。)— Lorimer Moseley & David Butler, Explain Pain
とも記しています。
彼が伝えたいことを一言で表すと、
「痛みは身体から生まれるのではなく、脳が作り出す保護反応である」
ということです。
もちろん「気のせい」という意味ではありません。
例えば、
- 組織に損傷がある → 必ず痛い
- 痛い → 必ず組織が壊れている
という単純な関係ではないと考えています。
脳は、
- 組織の状態
- 過去の経験
- 恐怖心
- ストレス
- 睡眠
- 周囲の環境
- 感情
など多くの情報を総合して
「危険だ」と判断したときに痛みを作る
『Explain Pain』では、このように痛みが生じる仕組みについて解説されています。
3.脳はどのように痛みを作るのか?
痛み=損傷ではない
- MRIやレントゲンで異常がなくても痛い人はいる。
- 逆に、画像上異常があっても痛くない人もいる。
先に述べたように脳は
・過去の経験
・恐怖心
・ストレス
・睡眠
・周囲の環境
・感情
など多くの情報を総合しています。
例えば昔痛みが出た動作、けがをした経験のある運動を行う時、過去その行動によってマイナスな結果が起きた経験などがある際、脳はその動作に対してより慎重になり筋の出力を弱めたりします。これは野球選手のイップスなどにも説明されることです。
運動は痛みに対する良い治療になる
- 適切な負荷で動くことは脳の「危険」という判断を弱めることにつながる。
逆にその運動をすると心地が良い、プラスな成果が得られると脳はその行動をより強化する方向に働きます。
4.ストレスが痛みを強くする理由(扁桃体と側坐核)
人間の脳がストレスを受けると扁桃体という部分の働きが高まることが分かっています。
体内では扁桃体→視床下部 → 下垂体 → 副腎(HPA軸)と作用し、最終的には副腎からコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌し血糖値を高めることでストレスに対抗しようとします。
慢性的なストレスが日常的な高血糖状態を作り出し糖尿病のリスクを高めるのはこのHPA軸の働きによるものです。
扁桃体は側坐核と活性ー抑制の関係にあるとされています。ストレスにより扁桃体が活性すると側坐核の働きは抑制されます。
つまり慢性的なストレスにより脳は痛みの処理が下手になるということです。

5.α Personal Training LABが提供する痛み改善プログラム
では既に痛みがある、仕事や私生活で日々ストレスを感じている方は痛みを改善することは難しいのでしょうか?
決してそうではありません。
私の経験上身体に痛みのある方は身体を動かす際必要以上に身体を固めてしまう傾向にあります。これは防御反応と呼ぶべき反応でこれから身体にかかるであろう負荷を過剰に捉えてしまっているためです。
結果として必要以上の筋力を動員してしまい、すぐに疲れてしまいます。自身の筋力で関節の内圧を高めてしまうことにも繋がっています。
α Personal Training LABでは必要最小限の筋力で動けるようにエクササイズの順序にこだわっています。
関節を安定させるためのインナーマッスルの働きをピラティスなどを活用して事前に高めておきます(低閾値運動・抑制と活性のバランス)。そのうえで関節に負荷をかけず筋を動員するための身体の動作パターンを学習してもらいます。(中閾値運動・運動パターンの適正化)
そして適切な関節の動きの中でインナーマッスルによる関節の安定性を担保しながら大きな力を発揮するためのアウターマッスル(お尻、もも、腹筋、背筋、肩腕など)を鍛え日常から運動中の負荷に耐えられる強い体を目指します。
実際に痛みがあった動作でも滑らかな関節の動きが戻り、楽に動けたり、脳がその動作を脅威と捉えなくなり痛みの緩和に繋がります。
また、血糖値を適切にコントロールする食事法をマスターすることは扁桃体の過剰な働きを抑え、側坐核からの痛みのアウトプットを減少させることに繋がります。
”痛みとは絶対的なものではなく常にあなたの状態によって増減する脳のアウトプットなのです。”
α Personal Training LABが目指すもの
α Personal Training LABが提供するのは単なる筋トレ、ダイエット指導だけではありません。
現代人が抱えるデジタルデバイス、慢性的なストレス、加工食品中心の食習慣、運動不足。
それらによって引き起こされる、慢性的な筋肉の凝り、痛み。自律神経機能の問題、生活習慣病、サルコペニアやフレイルなど健康上のすべての問題を身体の専門家としてパーソナルトレーナーが引き受ける。業務上の制約が少ないパーソナルトレーナーだからこそ複合的な身体の問題に対処できると思っています。
α Personal Training LABは本物志向の方に京都・烏丸御池で最高峰の運動指導・運動療法を提供いたします。
この記事を書いた人
丹下 翔太
・ボディメイク・姿勢改善・リハビリ・スポーツパフォーマンス指導
・α Personal Training LAB代表
・NSCA認定パーソナルトレーナー
・AZCARE Master Provider
・Synthesis認定ピラティス
・BPA認定パフォーマンススペシャリスト

店舗情報
α Personal Training LAB
〒604-8136
京都府京都市中京区梅忠町20-1
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